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【名取のソウルフード仙台せりの収穫と卸売りにお邪魔させていただきました!】
市民ライター てるる
皆さんは、名取市の特産品「仙台せり」をご存じでしょうか?
「せり」は、春の七草のひとつにも数えられており、古くから日本全国で愛されてきた食材です。
実は、宮城はせりの収穫量が全国一位の県であり、その生産量の約8割を名取市が占めています。つまり、名取市は日本を代表する「せりの聖地」なのです!
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今回は、そんな名取のソウルフード「仙台せり」の“収穫”、“水洗い”、“箱詰め”、“出荷”の工程を見学させていただきました!
また、取材を行うにあたって、下余田芹出荷組合 組合長、伊藤彰一さんをはじめ、様々な方にご協力をいただきました。本当にありがとうございます!
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1. せりの収穫
まずは、せりの収穫現場を紹介します。そもそもせりは田んぼで栽培されており、おおよそ秋~春に収穫されている植物です。
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収穫を行う際は、防水のつなぎを着用し、かごをぷかぷかと浮かせながら移動します。また、収穫したせりを浮かべておいたかごの中に入れ、まとめて運んでいます。(下の写真↓)。かなり昔の時代では、小さな舟を用いてせりを収穫していたようですが、今ではプラスチックのかごが主流のようです。
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せりを積めたかごを持たせていただきましたが、想像以上に重く、体力が必要でした。日々この作業を繰り返すとなると、とても骨が折れますね…。
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せりは、根っこからジャバジャバと揺らすようにして収穫します。
また、この際に細すぎたり、飛び出たりしているものは取り除いてしまいます。
寒い中、肩まで水に浸かる作業ですが、伊藤さんは「水の中のほうがあったかいぞ~」とおっしゃっていました(笑)
2. せりの水洗い
次に、せりの水洗いについてお伝えします。
せりの優れた点のひとつに、「根っこまで食べることができる」というのがありますが、そのためには、収穫したせりを根っこまでキッチリと洗う必要があります。
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またこの時にも、細すぎるせりや飛び出ている芽などを取り除きます。
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3. せりの箱詰め
せりをサイズごとに分類し、紫色のテープで止めて箱に入れます。伊藤さんの作業机には、効率よくサイズを見極めるために、それぞれの大きさの目印が書かれていました。
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同時に、お客さんに届く前の最終チェックも行います。伊藤さんはとても真剣な面持ちでせりと向き合っていました。
完成したせりは、既定の量だけダンボールにつめ、トラックなどで出荷センターに持って行きます。
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4. せりの出荷
最後にせりの出荷の様子をお伝えします!
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下の写真はせりの最終チェックをしている様子です。この作業は一人ではなく複数人で行う必要があります。このような丁寧さが仙台せりのブランドを守る秘訣なのかもしれませんね。
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伊藤さんにインタビュー!
最後に、伊藤さんにいくつかの質問をさせていただきました。
Q.伊藤さんがせり農家を始めた理由は何ですか?
A.農家の長男だったことが一番の理由ですね。当時勤めていた会社を39歳で辞め、それからせり農家を続けています。
Q.せり農家をしていて一番印象に残っていることは何ですか?
A.やっぱり台風ですね。10月頃に植える、年末ぜりが根付く前にすべて流されてしまい、大変でした。
Q.伊藤さんオススメのせりの食べ方は何ですか?
A.せり鍋や味噌汁、「根の天ぷら」の他にも春巻きや「チーズとせりを混ぜる」などなど…さまざまなものがありますね。実はよくキムチに入っている緑色のやつもネギじゃなくて「せり」なんですよ!
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取材を通して名取のせりの良さと、それにかける伊藤さんの想いが伝わってきました!本当は他にも書ききれないぐらいの質問や、せりの秘密を教えていただきました。
皆さんも、鍋だけじゃない、名取のせりを食べてみてはいかがでしょうか?