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”あの日”を学ぶ

市民ライター きぐち

名取市の港町、閖上を知っていますか?閖上では、北限のしらすや閖上赤貝が水揚げされ、これらの水産物は皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。海と共に生きる閖上は、今から約12年半前の3月11日に発生した東日本大震災の大津波で壊滅的な被害を受けました。あの日の記憶と復興の歩み、災害への備えを学ぶために、私は名取市震災復興伝承館を訪れました。 
 
 伝承館に入り、一番に目に飛び込んできたのは、ミニチュアサイズの閖上です。この模型は、神戸などの学生と協力し作成されました。よく見てみると、○○の家や○○君と遊んだ、七夕が近くなると笹を出していた、男性二人が津波を知らせてくれたなど震災前と震災発生時の閖上の様子が手書きで記されています。これは実際に被災した方たちに見ていただき、自分の家や思い出を書いてもらったそうです。 
 

ミニチュアサイズの閖上の模型

   館内では、東日本大震災や閖上の被害、震災後の歩みなどを詳しく学ぶだけでなく、水深30㎝を歩く時の負荷を体験できる下駄(子供用として水深10㎝バージョンもあります)と水深30㎝にかかる水圧を再現したドアが設置されており、防災の大切さを実際に体験することができます。 実際に体験してみると、ドアは開かず、一歩踏み出すだけでも時間がかかりました。浅いと思っていた水深30㎝は想像以上に負荷がかかり、思うように動けませんでした。より早く避難することが大切なのだと身をもって知ることができました。

水圧体感ドア

 また、伝承館には、風のポストが設置されています。このポストには被害にあわれた方や遠方から来た方、大切な人を亡くした方や震災を知らない子供たちが、震災で亡くなられた方へ届けたい気持ちや伝承館を見学した感想が投函されており、手紙はファイリングされ、目を通すことができます。どの手紙も一文字一文字に思いが込められており、あの日の記憶を忘れてはいけないと強く思いました。 

風のポスト


 末筆ではございますが、当記事を執筆するにあたり、取材にご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。 
 
 
 
名取市震災復興伝承 
【開館時間】4月~11月 9時30分~16時30分 
      12月~3月 10時~16時 
【休館日】毎週火曜日(祝日の場合は翌日) 
     年末年始 
【料金】入館料無料 
【公式サイト】https://www.natori-denshoukan.jp/ 
【電話】022-393-6520 
【アクセス】なとりん号「震災復興伝承館前」下車 
      タクシー 
      車(駐車場あり) 

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