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閖上の堤防

市民ライター きぐち

みなさんは閖上にある堤防を見たことがありますか? 
 閖上は東日本大震災の後、災害に強いまちにするべく、土地をかさ上げし、高い堤防が建設されました。実際に堤防に立ってみると、津波到達の高さに手が届きそうなほど高く、閖上のまちを見渡すことができました。また、太平洋を眺めることができましたが、この海が約13年前、まちを飲み込んだということを想像することができず、実感が湧きませんでした。 

私が海の方を撮影したり、津波到達地点の高さに手を伸ばしたり
していると、ひとりの女性に「大変そうね」と声をかけられました。(取材時、閖上は雨でした。)聞くと女性は昔、閖上に住んでいたそうですが、引越しをして別のところに住んでいるそう。東日本大震災発生時は、既に現在住まわれているところにいたため、津波の被害には遭いませんでした。今もこうして時々閖上を訪れるそうですが、昔の閖上とは別の街になった閖上に、訪れる度に驚くそうです。 

津波到達地点

土地のかさ上げ、高い堤防。以前よりかは安心して暮らせるようになりましたが、新しいまちになった閖上。堤防ではジョギングする人や並んで歩く親子がいました。すぐ近くには、新しい名所・かわまちてらす閖上があります。一般的に、街が完成したら、堤防を建設したら、新しい施設が完成したら、「復興した」といわれます。ですが、本当の復興とはもっと先なのかもしれないと今回の取材で思いました。

震災後に建てられた新しい施設である名取市震災復興伝承館

末筆ではございますが、今回取材にご協力いただいた方、誠にありがとうございました。

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