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「増田川を知ろう」~河口から水源まで~キラキラパルク増田西(KPM)

令和5年度に市民ライターとして活動いただいた浅野さんより、記事を寄稿いただきました!ありがとうございます。

キラキラパルク増田西

キラキラパルク増田西(KPM)は、子どもたちに宮城県名取市を流れる増田川について知ってもらい、地域の楽しさや大切さを伝えるための活動をしている団体です。

KPMの活動は以前も紹介していましたが、

今回は、「増田川を知ろう」(令和6年度名取市協働提案採択事業)として、河口から水源までを4回に分けて、川と周辺の観察や、設備について学ぶ企画が行われましたので、参加してきました。

第1回目 下流域編


第1回目は河口(下流域)です。

下流域編
(堰と魚道などの川の設備を学ぶ・川と周辺の観察)

令和6年6月23日(日)
30人ほどの参加者で、出発式の後、川歩きは始まりました。

密を避けての挨拶。みんなワクワクしています


川歩きはただ歩いてみるだけでなく、随所で増田小学校の大瀧教頭先生の説明があります。

手作りフリップによる大瀧教頭先生の説明


まず始めは、川にある堰および魚道についてです。

増田川は度々氾濫して、近隣の住宅や農地に大きな被害をもたらしました。特に、昭和61年8月と平成6年9月の洪水はその被害域の広さや被害額は大きなものになりました。
そのような被害を少なくするため、川にはが設けられるようになりました。
堰があることで、川を流れる水の量を調整することができ、堤防を越えて氾濫することは少なくなりました。

堰堤と魚道について説明


ですが、堰を作ってしまうと魚が海から川を遡上できなくなってしまいます。

増田川でも、鮭、鮎、ウナギが遡上してくる魚ですが、それらが堰よりも上流へ行けるように堰の脇に作られている魚の通り道が魚道です。

魚がその魚道を通って遡上していることは、KPMの活動の一つ「ガサガサ」(流れの緩やかな川に入り、足で川底を動かして魚などを網に追い込んでいく漁法のこと)の体験会を中流域で開催していますが、そこで上記のような魚も捕獲できていることから観察できているそうです。

「川魚」に混じって海魚のスズキも中流域まで遡上していました


河口は、海に近いこともあって潮の満ち引きの影響が出るところです。
観察した時間は引き潮の時間だったこともあり、川の水位が低く、魚道を遡る魚を見ることはできませんでしたが、堰に向かって飛び上がる魚を何匹か見ることはでき、参加者からは歓声が上がっていました。

川沿いを進む参加者の皆さん


堰を過ぎてからは、さらに毘沙門橋付近まで下りました。このあたりになると、川と言っても潮水が大分入ってきているそうです。

潮水は真水よりも濃度が濃いため重く、川でもそれらは完全に混ざり合うことはなく、川の上は軽い真水、底の方は重い潮水になっているそうです。そのため、海に住む魚を見ることもできるようになるそうです。

釣りもする大瀧教頭先生から、実際に釣った魚の写真を使って、その橋付近に生息する魚について説明をいただきました。


海の魚も川の魚も下流で釣れます。


写真を見ながら、ヌマガレイの写真をみて、他のカレイと違ったところを当てるクイズや、魚のエラに塩類細胞という細胞があり、その細胞のおかげで魚は真水や潮水の中で生きていけることや、特に一部の魚だけが真水と潮水の両方で生きていけることの説明などが有り、参加者は興味深い時間を過ごすことができました。

その後、時間の関係で一番河口までは行けませんでしたが、増田川と八軒堀が平行して流れている寺野大橋の上で記念撮影を行いました。
二つの流れを一つの橋で超えるところもなかなか珍しい風景だそうです。

参加者で記念撮影


帰路は途中毘沙門堂で休憩を挟みつつ、初めの集合場所に戻りました。

史跡で休憩を挟みました


帰り道ではそれぞれに、「ここではこんな説明を聞いたな」など、思い出しながら川を眺めていきました。

川を知るということ 川を好きになること


今回の「増田川を知ろう(河口編)」では、海のそばの川の特徴をとてもわかりやすく学ぶことができました。

その特徴のひとつひとつについて、その都度教えてもらえることで理解が深まりました。
改めて説明を受けた場所を眺めると、そこに愛着を感じていることに気がつきました。

まさに「知ること」が「好きになること」の第一歩となりました。

(資料提供:大瀧教頭先生、キラキラパルク増田西)